平成29年(2017年)4月の放送予定
4月10日(月):第四十七回:音楽体験の変化
話者:センセイ、マッサン、トッチャン お客様:本名カズト(ミュージシャン)
ミュージシャンの本名カズトさんをほぼ一年ぶりにお出迎え。最初に得た感動の要因を人は忘れがちで、活動を続けていると得てして技術、技巧に囚われていき「感動要因」が蔑ろにされるという話から始まる。その結果として鑑賞者側は「面白くない=感動がない」と感じる。真に長けた人は、初期衝動が色褪せること無く同時に技術も身につけていくと。マッサンは書においても同じであると受ける。センセイの話を引用し、長けることは結果身につくもので、必要ではあるが、何よりも感動が無ければ表現する意味を失う。本名さんは、「それでも気づいている人はいい、そもそも気づいていない人が増えている」と懸念を表し、その理由は音楽に関して言えば浴びるように聞いた人が減っているからではと持論を述べる。そこから音楽体験の変化が見えてきた。
4月20日(木):第四十八回:創作の格闘
話者:センセイ、マッサン、トッチャン お客様:本名カズト(ミュージシャン)
引き続き本名さんとの話は続く。デジタルと創作活動について話題が出る。「デジタル仕事による創作活動には格闘の後が見えない」という本名さん。デジタルは道具として見た場合にとても便利である。しかし格闘の後が消えていく点でデジタルは便利さ以外の点で何か大切なものを失っているのではなかろうかと。デジタル要因が不要と言いたいわけではなく、アナログとデジタル双方をわかっている作家はデジタルで失われる部分を把握した上でバランスをとれるが、そもそもデジタル作業しか知らない作家は、その裏側の落とし穴に気づかないのではないかと投げかける。作品への取り組みにはいかに格闘するかが肝。センセイは書家ならいかに座って書いているかであり立ってちゃしょうがないと言う。そこから構えの部分で現代の創作活動にそれぞれの思いを吐露していく。
4月30日(日):第四十九回:妖怪と日本人
話者:センセイ、マッサン、トッチャン
一連の妖怪作品の話を踏まえ、マッサンが昨年八月に開催された「大妖怪展」の感想を語っている。本展では妖怪が出て来る美術作品が全国から集められ一堂に会したもの。江戸東京博物館で開催された。過去から現代まで時系列に並べられた作品を見て、次第に確固たる存在となっていく妖怪という存在に、一つの型が生み出される創造の過程が見れたと語る。そこから嘗ては妖怪が日本の文化に強く根を下ろし、小さな地域社会の安寧や隠れたる人心の後ろ支えになっていたのではないかと持論を述べる。更に宗教における異形の存在、化物へと話が膨らみ、日本人の精神性を垣間見る話になっていく。
お客様情報
- 本名カズト(ほんなかずと):ミュージシャン。2000年 “本名カズト with The Swamp” として “森永フェス”CMソング「そのままの君でいい」を含むマキシシングル『ここにいるから』でCDデビュー。ライブ活動を主軸に置きつつ、ラジオ、CM、ゲーム挿入歌等へ楽曲、詩の提供および歌唱活動を行う。ファーストアルバム『HIMAWARI』、セカンドアルバム『Hammck Moon』その他マキシシングルを発表。2014年レコード会社Duckwalkを設立し代表となる。現在、自らの音楽活動の原点でもあるライブを月数本精力的に行う。[公式][facebook]/[Duckwalk][facebook]
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